遺品整理での個人情報の処分|書類・カード・パソコン・スマホを安全に手放す順番と方法

遺品整理では、通帳や契約書、手紙、写真、パソコン、スマホなど、個人の情報が書かれた物や記録された物がたくさん出てきます。残す物を決めた後に残るのが、「残さない物を、情報が外に出ないように手放すにはどうすればよいか」という問題です。
この記事では、個人情報保護委員会・総務省・警視庁・目黒区などの公的情報をもとに、紙の書類・カード類・パソコンやスマホ・記録媒体を処分するときの順番と方法を整理しました。捨ててはいけない物の見分け方やスマホの中の契約の探し方は「遺品整理で捨ててはいけないもの12選」、元気なうちにできるデジタルの整理は「生前整理とは?」で説明しています。
この記事で分かること
- 故人の情報を、家族の情報として扱ったほうがよい理由
- 処分の前に、手続きが終わるまで残しておく物
- 紙の書類・写真の処分のしかた
- マイナンバーカード・運転免許証などのカード類の扱い
- パソコン・スマホ・USBメモリなどのデータの消し方と手放し方
- 業者に任せるときに確かめたいこと
先に要点
- 処分は、相続や解約などの手続きが終わってからにします。迷う物は保留にします。
- 個人情報が書かれた紙は、シュレッダーにかけるなどして読めないようにしてから、自治体のルールで出します。
- 故人のマイナンバーカードは、手続きが終わってから返却するか、裁断して処分できます(目黒区の案内)。
- パソコンやスマホは、ファイルの削除やフォーマットだけではデータが残ることがあります。消してから、自治体やメーカーが案内する方法で手放します。
故人の情報も、家族の情報につながっている
個人情報保護委員会によると、個人情報保護法の「個人情報」は生きている人の情報に限られ、亡くなった方の情報そのものは保護の対象ではありません。ただし、亡くなった方の家族関係の情報のように、同時に遺族など生きている人の情報でもある場合は、その人の個人情報になるとしています。
遺品の書類や機器には、故人の住所・口座・契約だけでなく、家族の名前や連絡先、写真、やり取りの記録が残っていることがあります。法律の対象かどうかにかかわらず、家族の情報として扱い、外に出ないように処分するのが安心です。
総務省は、企業・組織向けの解説の中で、ごみとして捨てられた紙の資料から情報を探し出す手口(トラッシング)があるとして、紙はシュレッダーにかけたり溶解したりする処理が重要だとしています。家庭から出る書類でも、宛名や番号が読めるまま捨てないようにしましょう。
出典:個人情報保護委員会「死者の情報は、個人情報保護法の保護の対象になりますか。」(Q1-21)、総務省 国民のためのサイバーセキュリティサイト「安全なデータの廃棄」(2026年10月28日確認)
処分の前に:手続きが終わるまで残しておく物
遺品の書類やカード、スマホは、相続・解約・保険・年金などの手続きで使うことがあります。目黒区の「おくやみハンドブック」も、亡くなった方のマイナンバーはカードを返却した後は確認できなくなるため、すべての手続きが終わってから返却するか、番号を控えておくよう勧めています。
処分は、次の順番で進めると安心です。
- 残す物・探す物を相続人で決める
- 手続きに使う書類・カード・機器は、手続きが終わるまで1か所にまとめて保管する
- 処分する物を「紙」「カード類」「パソコン・スマホ・記録媒体」に分ける
- それぞれ、読めない・使えない状態にしてから、決まった方法で手放す
相続放棄を考えている場合は注意が必要です。民法は、相続人が相続財産を処分したときは単純承認(財産も借金も引き継ぐこと)をしたものとみなすと定めています(第921条)。物を処分する前に、弁護士・司法書士などの専門家に確認してください。現金や貴重品が見つかったときは「遺品整理で出てきた現金・貴重品はどうなる?」をご覧ください。
出典:目黒区「おくやみハンドブック」(PDF)、e-Gov法令検索「民法」(第921条)(2026年10月28日確認)
紙の書類・写真:読めないようにしてから、自治体のルールで出す
個人情報が書かれた紙には、請求書・明細書・領収書、契約書、手紙やはがき、名簿、宛名のある郵便物などがあります。処分すると決めた紙は、宛名や口座番号などが書かれた部分をシュレッダーにかけるか、はさみで細かく切ってから出します。
出し方は自治体ごとに違います。例として、東京都目黒区では次のように案内されています。
| 物 | 目黒区の案内(例) |
|---|---|
| シュレッダーくず、写真、感熱紙(レシートなど)、圧着はがき、カーボン紙(宅配伝票など) | 古紙として回収できないため、燃やすごみ |
| 封筒・はがき・ノートなどの雑がみ | 古紙。紙以外の素材は取り除き、紙袋に入れるか雑誌に挟んで出す |
| 一度に多量のごみ(45リットルの袋で5袋以上) | 有料。事前に清掃事務所に相談 |
古紙は地域の集団回収に出すため、宛名などが残った紙は、古紙に出す前に切り取るか、シュレッダーにかけておくと安心です。写真や手紙は、手放す前に家族で一度見直しましょう(「写真・思い出の品を手放せないときの整理方法」)。
出典:目黒区「古紙の出し方」、目黒区「燃やすごみの出し方」(2026年10月28日確認)
カード類:返却するもの、裁断して処分できるもの
亡くなった方のカード類は、種類によって扱いが違います。目黒区の「おくやみハンドブック」と警視庁の案内では、次のようになっています。
| カード | 扱い(目黒区・警視庁の案内) |
|---|---|
| マイナンバーカード・通知カード・住民基本台帳カード | 亡くなった日で廃止。返却するか、裁断して処分(手続きが終わってから) |
| 印鑑登録証(カード) | 印鑑登録は失効するため、裁断して処分 |
| 国民健康保険の資格確認書、介護保険の被保険者証など | 区の窓口に返却(郵送でも可) |
| 運転免許証 | 家族が返納する義務はない。更新の通知を止めたい場合は手続きが必要 |
運転免許証の通知を止める手続きは、東京都では警察署・運転免許更新センター・運転免許試験場で行い、手数料はかかりません。亡くなった方の運転免許証、亡くなったことを証明する書類(死亡診断書の写し、住民票の除票など)、手続きに行く方の本人確認書類が必要です。
クレジットカードやキャッシュカードは、カード会社や金融機関に連絡して手続きを確かめてから処分します。扱いはお住まいの自治体や契約先の案内を確認してください。
出典:目黒区「おくやみハンドブック」(PDF)、警視庁「亡くなられた方の運転免許証について」(2026年10月28日確認)
パソコン・スマホ:中身を確かめてから、データを消して手放す
先に、契約と残したいデータを確かめる
国民生活センターは、故人のスマホやパソコンのパスワードが分からない場合、第三者がロックを解除するのは難しく、サブスクは解約の手続きをしない限り請求が続くとしています。初期化や処分の前に、契約の手がかり(ネット銀行・サブスクなど)と、残したい写真などのデータを家族で確かめましょう。探し方は「遺品整理で捨ててはいけないもの12選」で説明しています。
削除やフォーマットだけでは、消えないことがある
総務省は、データを削除したりハードディスクをフォーマットしたりしただけでは、画面上は消えて見えてもデータが残り、特殊なソフトで復元できることがあると注意しています。消し方として、次の方法を挙げています。
- スマホ:初期設定の状態に戻す機能があれば、購入時の状態にしてから廃棄する。販売店の回収など、信頼できる事業者に依頼する
- パソコンのハードディスク(SSD):専用のデータ消去ソフトで消す。SSDはハードディスク用のソフトでは完全に消せない場合があるため、専用のソフトか物理的な破壊を検討する
- 信頼できるリサイクル業者に廃棄を依頼する
出典:国民生活センター「今から考えておきたい『デジタル終活』」(2024年11月20日公表)、総務省 国民のためのサイバーセキュリティサイト「使わなくなった機器を放置しないようにしよう」(2026年10月28日確認)
パソコン・スマホの手放し方(目黒区の例)と、USBメモリ・CD・DVD
データを消した後の手放し方も、自治体ごとに違います。目黒区の例です。
- パソコン:区では回収していません。区と協定を結んだ国の認定事業者による宅配便の回収か、メーカーの回収を利用します。「PCリサイクルマーク」が付いたパソコンは、メーカーが無料で回収します。
- スマホを含む携帯電話など9品目:区内10か所の回収ボックスで回収しています。携帯電話などの個人情報は消し、SDカードなどの記憶媒体と電池は取り除いてから出します。回収した携帯電話などは、区の職員が破壊処理をしてから資源を回収するとしています。
USBメモリ、SDカード、CD・DVD、外付けのハードディスクにも、写真や書類のデータが残っていることがあります。総務省は、これらを廃棄するときもパソコンと同じように処理する必要があるとし、CD・DVDなどはメディア用のシュレッダーで粉砕する方法を挙げています。
出典:目黒区「家庭用パソコンの処分は、宅配便回収かメーカー回収をご利用ください」、目黒区「使用済小型家電の回収を行っています」、総務省 国民のためのサイバーセキュリティサイト「安全なデータの廃棄」、総務省 国民のためのサイバーセキュリティサイト「安全なデータ・端末の廃棄」(2026年10月28日確認)
業者に任せるときに、確かめたいこと
総務省は、専門の業者にデータの消去を頼む場合は、消す前の大切なデータを業者に渡すことになるため、実績や信頼度、プライバシーポリシーも考えて選ぶよう呼びかけています。不適切な業者に任せたために、消去・廃棄されるはずのハードディスクが転売され、情報漏えいにつながった事例もあるとしています(企業・組織向けの解説)。
遺品整理を業者に頼む場合も、見積もりの段階で次のことを聞いておくと安心です。
- 作業中に見つかった書類や機器を、どのように保管するか
- 紙の書類やデータを、どの方法で処分・消去するか
- 消去したことを示す書類(証明書)を出してもらえるか
- 残す物・探してほしい物を、作業の前に伝えられるか
業者の選び方は「遺品整理業者の選び方」、注意したい業者の特徴は「悪質な遺品整理業者の特徴とよくあるトラブル」にまとめています。
出典:総務省 国民のためのサイバーセキュリティサイト「安全なデータ・端末の廃棄」(2026年10月28日確認)
TEIKETUの進め方
- 書類・名刺・写真・通帳や、パソコン・スマホなどの情報端末は、弁護士監修の個人情報保護マニュアルに沿って扱います。
- 紙の書類は鍵付きで保管しシュレッダーで処理し、電子データはアクセス制限と完全消去を行います。データ消去証明書の発行にも対応しています。
- 作業の前に、残したい物・探したい物・迷っている物を伺い、整理する範囲を確認します。まだ決まっていなくてもご相談いただけます。
- 現場に入る前には、近隣の方へのご挨拶を徹底しています。代表の瀬戸広樹も現場に出て、作業の質を高める取り組みをしています。
- 各部屋にカメラを設置して作業内容を記録し、作業後には作業前後の写真をご報告します。
- お見積もりは無料で、写真でのお見積もり相談にも対応しています。お見積もりにご納得いただいてから作業に入ります。

写真は、TEIKETUが2026年10月3日に東京都目黒区の戸建てで行った作業で、家財を運び出した後の写真です。※建物や依頼者を特定できる情報は掲載していません。
TEIKETUは中野区本町に本社を置き、遺品整理士認定協会の認定(認定証 第IS62050号)、産業廃棄物収集運搬業許可(第1300249464号)、古物商許可(第308952519411号)を取得しています。
よくある質問
個人情報が書かれた紙は、そのまま燃やすごみに出してもいいですか?
出し方は自治体のルールに従います。そのうえで、宛名や番号が書かれた部分は、シュレッダーにかけるか細かく切ってから出しましょう。目黒区では、シュレッダーくずは古紙ではなく燃やすごみとされています。
亡くなった人のマイナンバーカードは、返さないといけませんか?
目黒区の案内では、カードは亡くなった日で廃止となり、返却するか、裁断して処分するとされています。番号が必要な手続きが終わるまでは保管しておきましょう。
パソコンが壊れて動きません。データはどうすればいいですか?
総務省は、データの処理方法として、ハードディスクを取り出して物理的に壊す方法や、信頼できる専門の業者に消去を依頼する方法を挙げています。ハードディスクは外側のケースを壊しても、中のディスクが無事なら復元できることがあるとされています。
故人の運転免許証は、返納しないといけませんか?
警視庁の案内では、家族が返納する義務はありません。更新の通知を止めたい場合は、警察署などで手続きをします。
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まとめ:手続きが終わってから、読めない・使えない状態にして手放す
個人情報の処分は、手続きが終わってから、紙は読めないように、カードは返却か裁断、パソコンやスマホはデータを消してから、自治体やメーカーの方法で手放すのが基本です。
TEIKETUでは、書類や情報端末を個人情報保護マニュアルに沿って扱います(作業の記録と情報管理)。お電話 03-6821-6165(受付 9:00〜18:00・年中無休)、お問い合わせフォーム、またはLINEからご相談ください。