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遺品整理

遺品整理の費用は誰が払う?相続人の分け方・相続放棄・賃貸の場合の考え方

2026-10-22
家財を運び出した後の和室。畳の上には何も残っておらず、奥に窓がある

家族が亡くなり、住まいの片付けを業者に頼もうとしたとき、「この費用は誰が払うのか」で手が止まることがあります。きょうだいで分けるのか、故人の預金から出せるのか、相続放棄を考えている場合はどうなるのか。賃貸住宅なら、大家さんや保証人との関係も気になるところです。

この記事では、遺品整理の費用と「誰が片付けを進めるか」について、裁判所・法務省・国税庁・国土交通省などの公的資料で確認できることを整理しました。個別の事情によって結論が変わる部分は、弁護士・司法書士などの専門家や家庭裁判所に確認してください。

この記事で分かること

  • 遺品は誰が引き継ぐのか(相続人の範囲と法定相続分)
  • 遺品整理の費用の分け方と、故人の預貯金を使う場合の制度
  • 相続放棄を考えているときに、遺品整理の前に確認したいこと
  • 賃貸住宅の場合の残置物・原状回復・保証人
  • 「誰がやるか」を決めるときに話し合う項目

先に要点

  • 遺品(家財)は、原則として相続人が引き継ぎます。相続放棄をした人は、初めから相続人でなかったものとされます。
  • 遺品整理の費用を誰がいくら負担するかを決めた公的な基準は、この記事で確認した資料には見当たりませんでした。相続人どうしで話し合い、分け方を書面やメッセージで残しておきましょう。
  • 相続放棄を考えている場合は、遺品の処分や業者との契約の前に、専門家に確認してください。
  • 賃貸住宅では、賃借権と部屋に残された家財の所有権も相続人に引き継がれます。退去や原状回復は、契約書の内容と管理会社への確認が出発点です。

遺品は誰が引き継ぐ?相続人の範囲と順番

亡くなった人の家財や預貯金などは、相続人が引き継ぎます。相続人の範囲と順番は民法で決まっていて、国税庁は次のように整理しています。

順位相続人配偶者がいる場合の法定相続分
常に相続人配偶者―
第1順位子(子が亡くなっている場合は孫など)配偶者2分の1・子(全員で)2分の1
第2順位(第1順位の人がいないとき)父母・祖父母など配偶者3分の2・父母など(全員で)3分の1
第3順位(第1・第2順位の人がいないとき)兄弟姉妹(亡くなっている場合はその子)配偶者4分の3・兄弟姉妹(全員で)4分の1
  • 同じ順位の人が複数いるときは、原則として均等に分けます。
  • 内縁関係の人は相続人に含まれません。
  • 相続を放棄した人は、初めから相続人でなかったものとされます。そのため、第1順位の子が全員放棄すると、次の順位の人が相続人になることがあります。
  • 法定相続分は、相続人の間で遺産の分け方の合意ができなかったときの持分で、必ずこの割合で分けなければならないわけではありません。

遺品整理を「誰がやるか」「誰が業者と契約するか」を考えるときも、この相続人の範囲が出発点になります。

出典:国税庁「No.4132 相続人の範囲と法定相続分」(2026年10月22日確認)

遺品整理の費用の分け方

費用の分け方は、相続人どうしで話し合って決めます。考え方の例は次のとおりです。

分け方内容注意点
相続人で分担する法定相続分や、遺産の分け方に合わせて分担する割合と支払う人を、書面やメッセージで残しておく
故人の預貯金から支払う遺産分割前の払戻し制度などを使う相続放棄を検討している人がいる場合は、使う前に専門家へ確認(後述)
代表者が立て替えて後で精算する業者との契約と支払いは1人がまとめ、遺産を分けるときに精算する見積書・契約書・領収書を保管し、相続人全員に共有する

業者への支払いは、見積もりを依頼して契約した人(契約書の名義人)が窓口になります。誰が契約するかも、話し合いで決めておきましょう。きょうだいで話し合う進め方は「兄弟姉妹で片づける際の役割分担と話し合いの進め方」で紹介しています。

故人の借金や未払いは、話し合いだけでは決まらない

裁判所は、被相続人の借金などの債務は、相続開始と同時に法定相続分に応じて当然に分割され、原則として遺産分割の対象にはならないと説明しています。相続人の間で「債務は特定の人が引き継ぐ」と合意しても、債権者にそのまま主張できるわけではありません。家賃の滞納など、故人が生前に負っていた支払いがある場合は、遺品整理の費用とは分けて確認しましょう。

出典:裁判所「家事事件Q&A」「第9 遺産分割について」(2026年10月22日確認)

故人の預貯金を使う場合:遺産分割前の払戻し制度

法務省によると、2019年7月1日から、生活費や葬儀費用の支払いなどの資金需要に対応できるよう、遺産分割が終わる前でも、相続人が単独で預貯金の一定額の払戻しを受けられる制度が設けられています。

  • 単独で払戻しを受けられる額:相続開始時の預貯金の額(口座ごと)×3分の1×払戻しを受ける相続人の法定相続分
  • 同じ金融機関から払戻しを受けられるのは150万円まで
  • 払戻しを受けた預貯金は、その相続人が遺産の一部の分割によって取得したものとみなされます(民法第909条の2)

必要な書類は金融機関によって異なるため、各金融機関に確認してください。相続放棄を考えている場合は、払戻しや故人の財産からの支払いをする前に、専門家に相談しましょう。

葬式費用として差し引けるものの一覧に、遺品整理は含まれていない

国税庁によると、相続税を計算するときは、一定の相続人などが負担した葬式費用を遺産総額から差し引くことができます。対象として火葬・埋葬・納骨やお通夜などの費用が挙げられ、香典返し・墓石や墓地の購入・初七日などの法事の費用は含まれないとされています。遺品整理の費用は、この一覧には挙げられていません。相続税の申告が必要な場合の扱いは、税務署や税理士に確認してください。

出典:法務省「相続に関するルールが大きく変わります」、裁判所「参考条文」(民法第909条の2)、国税庁「No.4129 相続財産から控除できる葬式費用」(いずれも2026年10月22日確認)

相続放棄を考えているときに、遺品整理の前に確認すること

故人に借金があるかもしれない、相続するかどうか決めていない、という場合は、遺品整理の進め方に注意が必要です。

  • 期限と申述先:相続放棄は、自己のために相続の開始があったことを知ったときから3か月以内に、被相続人の最後の住所地の家庭裁判所に申述します。費用は申述人1人につき収入印紙800円分と、連絡用の郵便切手です。期間内に判断できない場合は、家庭裁判所に期間の伸長を申し立てられることがあります。
  • 遺品の処分との関係:民法は、相続人が相続財産の全部または一部を処分したときは、単純承認をしたものとみなすと定めています(第921条第1号。保存行為などは除く)。期間内に放棄や限定承認をしなかったときも同じです(同条第2号)。遺品を売る・捨てる、業者に頼んで処分することがこの「処分」にあたるかは個別の事情によるため、契約や処分の前に弁護士・司法書士などに確認してください。
  • 放棄が受理された後:相続放棄をした人は、初めから相続人でなかったものとされ、故人の債務を相続によって負担することはありません。

すぐに処分を決められないときは、写真で記録する、残す物の候補をメモするなど、物を動かさずにできることから進めると安心です。始める時期の考え方は「遺品整理はいつから始める?家族で決めることと進める順番」をご覧ください。

出典:裁判所「相続の放棄の申述」、裁判所「家事事件Q&A」(いずれも2026年10月22日確認)、e-Gov法令検索「民法」第921条(2026年10月17日確認)

相続放棄の後も、手元にある財産は「保存」が必要

2023年4月1日に施行された改正後の民法第940条第1項は、相続の放棄をした人が、放棄の時に相続財産に属する財産を現に占有しているときは、相続人または相続財産の清算人に引き渡すまでの間、自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産を保存しなければならないと定めています。改正前は「その財産の管理を継続しなければならない」とされていましたが、改正で、義務を負うのは放棄の時に財産を現に占有している場合であることが明確になりました。

故人の財産を手元で預かっている場合は、誰に引き渡すまでどう扱うかを、専門家に確認しておきましょう。

相続人全員が放棄するなどして相続人がいなくなった場合は、家庭裁判所が選任する相続財産清算人が財産を清算します。清算人の報酬は相続財産から支払われますが、相続財産が少ない場合は、申立てをした人が報酬に充てる費用を家庭裁判所に納めることがあります。

出典:法務省「民法等の一部を改正する法律 新旧対照条文」、法務省「令和3年民法・不動産登記法改正、相続土地国庫帰属法のポイント」、裁判所「家事事件Q&A」(いずれも2026年10月22日確認)

賃貸住宅の場合:残置物・原状回復・保証人

国土交通省は、賃借人が亡くなると、賃借権と、部屋に残された家財(残置物)の所有権は、その相続人に引き継がれると説明しています。退去の手続きや部屋の片付けは、相続人と大家さん・管理会社の間で進めることになります。

原状回復は「借りた当時の状態に戻すこと」ではない

国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」は、原状回復を、賃借人の居住・使用によって生じた建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧することと定義しています。経年変化や通常の使用による損耗の修繕費用は、賃料に含まれるものとされています。ただし、既に結ばれている契約は、その契約内容に沿うのが原則です。請求の内容に疑問があるときは、契約書と照らし合わせて管理会社に確認しましょう。

相続放棄を考えている場合は、管理会社から家財の処分を求められても、応じる前に専門家に確認してください。退去期限と作業範囲の確認項目は「賃貸住宅で確認したい退去期限と作業範囲|家財の処分と原状回復」にまとめています。

出典:国土交通省「残置物の処理等に関する契約の活用手引き」、国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」(いずれも2026年10月22日確認)

保証人が負担する範囲は、保証契約の内容による

法務省によると、2020年4月1日から、個人が保証人になる根保証契約(例:子がアパートを借りるときに、親が賃料などをまとめて保証する場合)は、上限額(極度額)を定めなければ無効になりました。また、主債務者や保証人が亡くなった後に発生する債務は、保証の対象外になります。保証人に何を請求できるかは保証契約の内容によるため、契約書を確認してください。

出典:法務省「2020年4月1日から保証に関する民法のルールが大きく変わります」(2026年10月22日確認)

「誰がやる?」を決めるときに話し合う項目

遺品整理を「誰がやるか」は、作業をする人だけでなく、契約する人、費用を払う人、残す物を決める人に分けて考えると整理しやすくなります。

決めること内容
契約する人(窓口)見積もりの依頼、業者とのやり取り、契約書の名義
費用の分け方誰がいくら負担するか、立て替えた場合の精算の時期
残す物を決める人貴重品・重要書類・形見の扱い、迷う物の保留
立ち会う人見積もり・作業当日に立ち会う人、鍵の預け方
相続の方針相続放棄を検討している人がいるか(いる場合は処分の前に専門家へ)

遠方に住んでいて立ち会いが難しい場合は「遠方に住む家族が実家の遺品整理を進める方法」をご覧ください。

国民生活センターは、遺品整理サービスで高額な追加料金を請求された、処分しないよう頼んだ物を処分された、といった相談が寄せられているとして、複数の業者から見積もりを取る、見積書で作業内容と費用を確認する、料金やキャンセル料を事前に確かめる、残す物と処分する物を明確に分けておく、ことを呼びかけています。費用を分ける場合は、見積書を相続人全員で共有しておきましょう。

出典:国民生活センター「こんなはずじゃなかった!遺品整理サービスでの契約トラブル」(2026年10月22日確認)

写真で見る:残す物を決めてから、収納の中まで運び出す

TEIKETUが2026年10月2日に東京都墨田区のマンションで行った家財撤去の、作業後の写真です。※建物や依頼者を特定できる情報は掲載していません。作業内容は写真から確認できる範囲で記載しています。

作業後の和室の押入れ。ふすまが片側に寄せてあり、天袋の棚と中段の上下に物は残っていない
作業後:天袋と中段の上下まで空になった押入れ

押入れは天袋の棚と中段の上下まで、物が残っていないことを確かめています。運び出した後に「残すはずの物が入っていた」とならないよう、残す物・探したい物は契約の前に決めて、相続人の間で共有しておきましょう。

TEIKETUの見積もりと費用の確認

  • お見積もりは無料で、写真でのお見積もり相談にも対応しています。お見積もりをご確認・ご納得いただいてから作業に入ります。
  • 料金は基本料金5,500円(税込)と、トラックの大きさに応じたパック料金(軽トラック10,000円〜など)が目安です。パック料金はお支払い総額ではありません。税込の総額はお見積もりでご案内します(サービス・料金)。
  • 何を残すか決まっていない段階でも、残したい物・探したい物・迷っている物を伺い、作業前に整理する範囲を確認します。
  • 各部屋にカメラを設置して作業内容を記録し、作業後には作業前後の写真をご報告します。

費用が変わる理由と見積書の見方は「遺品整理の費用が変わる理由と見積もりの確認項目」、公開している事例の金額は「遺品整理・家財整理の費用と料金|公開7事例」で紹介しています。

TEIKETUは中野区本町に本社を置き、遺品整理士認定協会の認定(認定証 第IS62050号)、産業廃棄物収集運搬業許可(第1300249464号)、古物商許可(第308952519411号)を取得しています。

よくある質問

遺品整理の費用は、長男や喪主が払うものですか?

喪主や長男が払うと定めた公的な基準は、この記事で確認した資料にはありません。相続人の範囲と法定相続分を確かめたうえで、相続人どうしで分け方を話し合い、結果を書面やメッセージで残しておきましょう。

相続放棄をしたら、遺品整理の費用は払わなくてよいですか?

相続放棄が受理されると、初めから相続人でなかったものとされ、故人の債務を相続によって負担することはありません。ただし、放棄の時に手元で管理している財産は、引き渡すまで保存する必要があります(民法第940条)。個別の扱いは専門家に確認してください。

故人の預金から遺品整理の費用を払えますか?

遺産分割前の払戻し制度で、預貯金の一定額(同じ金融機関から150万円まで)を受け取れる場合があります。払い戻した分は遺産の一部の分割で取得したものとみなされます。相続放棄を考えている場合は、使う前に専門家へ相談してください。

相続人が遠方に住んでいて、片付けに行けません。

見積もりや作業当日の立ち会い方、鍵の預け方、残す物の確認方法を、現地の状況に合わせてご相談いただけます。

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まとめ:費用の話は、相続人の確認と「処分の前の相談」から

遺品整理の費用は、相続人の範囲を確かめ、話し合いで分け方を決めるのが出発点です。相続放棄を考えている人がいれば処分や契約の前に専門家へ。賃貸住宅は契約書と管理会社への確認から始めましょう。

TEIKETUでは、遺品整理の範囲や費用のご相談を承っています(遺品整理のサービス)。お電話 03-6821-6165(受付 9:00〜18:00・年中無休)、またはお問い合わせフォームからご連絡ください。

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